マルチツールがあれば鑿はいらないのか?

鑿・鉋を普通に扱ってきた大工さんでも、マルチツールは便利だといって何をするのもマルチツール。

蟻を掘るのも、まっすぐ突けるから良い!なんて言ってました・・・

私もマルチツールは使ったことがあります。確かに、非常に便利だし、今までにない使い方が出来る新しい工具であると思います。

でも、私は私個人の道具としてはマルチツールはもっていません。ひとまず買う予定もありません。

マルチツールは鑿の代わりになるのか?マルチがあれば鑿はいらないのか?メリット・デメリットをあげていこうかと思います。

 

『マルチツールのメリット』

・替え刃式の道具である

マルチツールの名の通り、様々な種類の替え刃が存在して、木材も切れれば釘も切れる刃もあり、多種多様な現場状況に対応できる道具です。しかし替え刃であることはデメリットにもなります・・・

・充電バッテリー式の利便性

有線式もありますがバッテリー式なら気軽にどこにでも持っていけます。

・切るというより、突ける

刃先を立てて真っすぐに突けるのが、(ドリル以外の)他の電動道具にはないところかもしれません。リフォームにおいては、木と木の間に刃を差し込んで釘を切断する・・・なんてことも可能です。壁、天、床の開口も、楽になると思います。

 

『マルチツールのデメリット』

・替え刃が高価

安いものもありますが、基本刃一つで丸ノコのチップソーくらいの値段がします。そしてなによりも、マルチツールの刃は寿命が短いと言えます。細かく振動して扱う道具ですし、刃先も細かい。活躍するリフォームでは釘を切断するなど無理をかけることも多い。必然、刃一つ当たりの寿命は短くなります。

・バッテリー式が手軽だが、高価

本体のみで25,000円くらいします。バッテリー、充電器をすでに持っている人はいいですが、それらも揃えるならかなり高額になります。

・パワーが弱い&他の道具で代用できる

木材を切るのは丸ノコが早いし、釘を切断したいならディスクグラインダーのほうが早いでしょう。マルチツールのタイル用の刃というのを使っていた電気屋さんがいましたが、どう頑張ってもタイルには傷しかつかず開口することが出来なくて困っていました。私の使い古したコンクリ用の刃を付けたディスクグラインダーを貸したら、簡単に開口することが出来てました・・・

 

『結論。餅は餅屋』

餅は餅屋。専門職である建築業の職人たちがその職で食っていくのと同じく。プロの仕事を求めるならプロに任せるしかない。それが一番です。

木を切るならそれ専用の道具を。鉄を切るならそれ専用の道具を。マルチツールというのは便利なようでいて、専用の道具に比べたらイマイチです。

大会社に勤めていて、マルチツールの刃なんて何十枚買って使ったって痛くもない・・・というような人なら、バンバン使えるいい道具だと思います。

しかし現状、ちょこっと無理させたくらいで刃先がなめて切れなくなるような代物では、個人的にはないなと思います。

それとこれも言いたい。結論2。

 

『切れる鑿があればマルチツールはいらない』

切れるのこぎりと鑿があれば、マルチなんていりません。便利なんでしょうが、有ればいいなは無くてもいいのです。なんとでもなります。

特に、刻み仕事にも使えるよなんていうセリフは恥ずかしいことです。自分には技術がありませんと言っているようなものです。

 

便利な道具を使いこなしてこその大工さんだとは思いますが、現状のマルチツールはお金がかかりすぎるかな、というのが正直な感想です。

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